たぬきレポート
裏話別冊。
面白いかわかりません。
とりあえず始めてみます。
プロフィール
彼女は齢40歳、大阪出身。
バツイチ、20歳の子供あり。
子供は別れた旦那が引き取って育てている。
6月10日
突然に店に来た。
「今、女の人は募集していないんでしょうか?」
その場でママと面接し、12日から来ることになった。
目の周りをぐるり黒のアイラインで描き、パンダというか、たぬきというか。
パンダのような愛らしさはないので、
「たぬきちゃん」と命名。
「ちゃん」をつけたのは、武士の情けじゃ。
6月11日
バカとの来る。
たぬきちゃんが隣にすわる。
「はじめまして。たぬきです。よろしくおねがいします。」
初対面なのにいきなり怒濤の身の上話が始まった。
「うちはなぁ、大阪から来たばっかりで、ここの土地のことようわからへんのですわ。
大阪ではうちもよう苦労したんよ。
そやから、大阪から出るときは絶対ここへ来よう思うて来たんですわ。」
私も、ママも、
「よく しゃべるなー」と思った。
6月12日
またバカとのが来る。
そして、「たぬきちゃん」が隣にすわる。
「何か飲んで下さい」とバカとの言ったので、
「たぬきさん、何を飲みますか?」 私が聞くと、
「そーやねー、何を頂こうかしら?
うちはなー、大阪にいたときからお酒だけは強いってよく言われたんです。
はじめはよう飲めんかったんよ。
そやけどお店でお客さんに飲まされてなー・・・・・・・」
あのねー。何を飲むかって聞いてんのよ!
大阪の話と身の上話はもうたくさん。
んで、結局その日は日本酒と、ビールと、焼酎をチャンポンにして飲んだ。
帰るときはふ〜らふら。
仕事なんだからそんなに飲むなっつーの。
この日、バカとのは
「これはゲットするしかないですがな。」と思ったはずだ。
だって、フェロモンがびんびんに出てるんだモン。
6月13日
さすがにバカとのは来ないと思ったら、マスターが電話で呼んでしまった。
そしたら、来た。
ママは、「たぬきちゃん」があんまり飲み過ぎるので、
「もう、飲まない方がいいよ。」と忠告してるのに
「いいえ、大丈夫だからもっと飲めます。
バカとのさん、このビールを頂いてもよろしいですか?」
などと言って、ガンガン飲みまくる。
「たぬきちゃん」は、
「うちもなー、こっちに出てきて友達もいないし寂しいんよ。
大阪ではなー友達ぎょうさんおったけんどなー、
はっきり言ってつらくてよう泣きましたー。」
などと言い、手を握る、腕にしがみつく、抱きつく。
よーやるわ。
バカとのは、鼻の下が伸びっぱなし。
がんばれバカとの!
そんな女やってしまえー!
(もうすでに、私はこの「たぬきちゃん」が嫌いでした。)