短編
ルパンしゃんせーいだあー
「おーっ!ねたにつまってアニメネタばかりだって?
自分でふっといてか?」
たまたまだって、ホント(笑)
ロリコン伯爵
実は私この店で、8年近く前に一度働いたことがある。
(出戻りっていうカンジかな?)
訳あってやめて、5年前からまた働いているのです。
8年前、このルパンしゃんせいに初めて会った時こう言われた。
「夏子さんは、まるでクラリスのような人だ。
その澄んだ目のままで、そのままでずっといて下さい」
(クラリスって知ってる?
ルパン三世/カリオストロの城に出てくるヒロインだよ)
な・・なんだこいつ。
「オレは少林寺の修行で3年間チベットへ行ってきた」
なんてこと言う、もとから変なやつだったけど。
その年の私の誕生日に、ルパンの友達が花をプレゼントしてくれた。
(かすみそうだけの花束。
確かに”かすみそうが好き”と言った覚えがあるが・・・)
ルパンしゃんせいは店に来る道すがら、
友達から”今日はなっちゃんの誕生日だ”と聞いたらしい。
何のプレゼントの用意もなかった彼は、
近所の生け垣に咲いていた椿の花を一輪、
手のひらにのせて私にくれた。
(プレゼントはまぁ、気持ちだからね。)
それから8年ほど過ぎて、現在。
久しぶりに店に来てくれた、ルパン。
一目見たとき私は思いだした。
「あっ!この人、クラリスの人だ!」
で、自然とその話になったんだけど、私が
「8年前、なんて言われたか一語一句覚えてますよ。」と言ったら
「うれしいなー、感激だなー。絶対忘れられてるって思ってた。」
と、ものすごく喜んでくれて・・・。
この話をデンノーの二人に言ったら、二人とも声をそろえて
「オレだったら恥ずかしくて穴があったら入りたいと思うだろうな。
それ以上言うなー!やめてくれー!って感じだよね。」
私もそう思う。
「若気の至りだ。忘れてちょうだい。お願い!」
きっと、お店の床の上を転げ回っちゃうだろうな。