短編
プロ歌手現る
のど自慢で鐘が全部鳴らなかったら、
暴れまくるか、気が狂うかどっちかですね。
自信満々は良いけど迷惑はかけないで。
魅惑のステージ
この二人は、割と新しいお客さんで、年の頃40前半ってとこかな。
とにかく歌がうまい。
昔、某有名歌手のバックコーラスをしていたとか
「歌うこと」を、仕事としていたとか、
とにかく、そういう関係の仕事をしていたらしい。
魅惑のハーモニー?
まぁ、自慢したいのよね。つまるところ。
歌に関しては、自慢しても良いくらいうまいのは確かだけど。
「立たないと声がよく出ないんだよね」
と、立ち上がり、手を振りながら歌うこと歌うこと。
「うわ〜、オペラ歌手みたい。」と言ったら、
「そんなことないよ。」と喜んでました。
ただ、私の気に入らないのは、人に歌唱指導すること。
「もっと歌詞の内容を考えて歌った方がいい。」
「腹式呼吸でお腹から声を出すように。」
(いちいちうるさいなー)
私たちに言うのならまだ我慢するけど、他のお客さんにも言うんだよ。
そりゃ、あんた達はうまいんだろうけど、”教えて下さい”って
頼んだ訳でもないのにそんなこと言われたら気分悪いよね。
カラオケなんて、自分が楽しけりゃそれでいいんだから。
わかってないなぁ。