おさる 〜我が人生に悔いなし〜

第5話

我が人生に悔いないんだろうな。
楽しそうだし。
私の初めての挿し絵です。
もう、デンノーの自由にはさせん!(笑)


おじさんって、意外と歌うまいでしょ

 

ウチの店はカラオケがあります。(古いけどね。)

おさるさんは、本当はカラオケが大好きですが、

「ボクは、歌が歌えないんですよ。歌はよく知らないんですよ。音痴ですから。」

などと言って、自分からは歌おうとはしません。

でも、他のお客さんが、楽しそうに歌っている時や、

ギャラリーがいる時(店が混んでいる時)は、歌いたくなるようで、

「おじさんも、歌ってみようかな。」などと言い、

あ、ボクの歌は最後でいいからね。

なんてもったいぶった言い方をすることも。

好きなら好きと言えばいいのに。このの人は多いねー。

「いやぁ、私は音痴ですから、カラオケはちょっと・・・」なんて言うヤツに限って

マイクを離さなかったりする。皆さんの近くにもいるでしょう。こういう人。

「おさるさん、一緒にデュエットしましょうよ。」

「いやだね。夏子さんとは歌わないよ。」(私だってやだよ。)

「そんなこと言わないで、歌おうよー。おさるさんと歌いたいの。」

なんて会話を3回ほど繰り返し、「しつこいな。じゃ、一曲だけだよ。」

一度歌えばこっちのもの。他のお客さんも拍手をしてくれれば、あとは、

おさるさんの中の歌いたい虫が、むずむず・・・・・。

「夏子さん、ぼくね、次は我が人生に悔いなしかけて。」「は〜い。」

これは、おさるさんの18番。自分でナレーションもいれちゃう。

おじさんの人生は悔いばっかりだよ。ね、夏子さん、

今度京都に一緒に行こうね。

♪鏡に浮かぶ我がぁ顔に♪」(また京都って言ってる。)

自分は歌をよく知らないとか、歌えない、なんて。

本当は好きなのに変に謙遜する人って多いでしょ。

好きなら好きと言う方が、楽しいし、変な遠慮しなくてすむから、

その方がいいと思うけど。

しかーし、おさるさんのように、たとえ、歌が上手でも、

「ぼくって、けっこう歌、うまいでしょ。」

これは、いかんなー。

こういうところでこそ、謙遜して欲しいと思うけど。

自画自賛すると、なんだ?あいつ。 と反感を買ってしまうのですね。

ほめ言葉は、人に言ってもらわないといけません。

カラオケなんてものは、自分が楽しけりゃいいの。お金払って歌うんだから。

プロじゃあるまいし。

 

つづけまして おめでとう。