短編
おぢさん&お兄さん
プロポーズ(?)も色々。
人間の半分は女だよ。
他で探してよ!
わたくしもお嫁さんが欲しいと、
こう思っている次第でございます。
年の頃50代半ばの小柄なおじさん。
「おれはさー、結婚にあこがれているんだよな。
夏子さんみたいな人がお嫁さんに来てくれたら良いんだけど・・・」
「・・・・・・・」
「ねぇ、どう?」
どう・・って言われてもなー。
もしかして真面目にプロポーズしてるわけ?
・・・・・そんな訳ないよね、いくら何でも。
「オレさ、今まで一度も結婚したことがないのよ。
オレの親は、二人とも死んじゃったから問題はないし、
オレは女の子にはとても優しいよ」
(そ、そ、そうですか・・・・)
「やりたいこと何でもさせてあげたいと思ってる」
(ん?ホント?)
「オレはメシ作ってくれて、掃除、洗濯もやってくれたら
後は何にも言わないんだけどな。
ただ、金はないけどよ。
なぁ、なっちゃん、どうかな?
・・・・・オレんとこ、来るか?」(目が真剣!)
これだけ言えば私がお嫁に行くとでも思っているのだろうか?
なんて単純な思考回路!
ま、でも酔っぱらっているからね。しかたないか。
30歳(見かけはもっと若く見える)
サラリーマン風のスーツ姿。
「ちょっと、ここんとこ友達が数人結婚してさ、
何回か披露宴に行ったんだけど、いやぁ、うらやましいよ。ホント。
そんなやつら見てると変にあせっちゃって。なんせ俺独身だから」
そんなもんですかねぇ。それで?
「彼女?いないよ。」
「趣味?ないよ。あ、仕事が趣味。」
「仕事?営業。事務の子はいるけど、仕事だけのつきあいだからねー。」
「休みの日何してるかって?うーん・・・・・寝てる。」
ルックスはまぁまぁだし、真面目そうで、
まぁちょっと暗いけど、ちゃんと会話ができるんだから、
(会話にならない人って、けっこういるよ)
彼女くらいできそうなものだけどねー。
でも、むりそうだなー。
きっと、デートしても楽しく無いと思う。
趣味は無い。仕事は適当に。
こちらから話しかけないと自分からは口を開かない。
そういう性格だろうから仕方がないけれど。
男なら「これだ!」っていうのが
一つあるとそれだけで充分魅力的なんだけれどね。
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